秘めごとは突然に。
ていうか、あなたのことはそれほど必要ではなかったみたい──。

悲しくもなければ、涙なんて一滴も出る気配がない…………きっとこれが全ての答えでしょ。

はは、私も大概ヤバい女だな……『情』だけでこんな男とずっと一緒にいて、何年も棒に振ってきたんだもん。それに、捨てきれなかった私も『難あり女』なのかもしれないね。ま、それも今日で終わるけど──。


「さようなら」


清々しい気持ちでファミレスから出ると、とてもいい陽気で空一面に晴れが広がっていた──。体ってこんなにも軽かったっけ?……ああ、心も体も文哉のせいで重くなってたんだろうな。精神的にね?


「さあーーってと、失った時間を少しずつ取り戻すとしますか」


『遅すぎる』なんてことはないはず。


「はあーー、マジで清々しいーー」



なんだろう、とても良いことが起こりそうな予感がする──。


これから始まる私の新たな物語は、きっと素晴らしいものになる……よね?

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