秘めごとは突然に。
苛立ちが隠せない……というか、もう隠す気もさらさらないわ。


「あなたの生きてる世界線なんかに興味ないんですけど。私には関係のないことなんで」


私っていつの間にこんな逞しい女になったんだろう。いつからこんなにきつい女になっちゃった?一昔前の私だったら、こんな柄の悪い男に対して絶対に言い返したりなんかしなかっただろうに──。良くも悪くも『文哉』という存在が私を強くしたのかもね。


「てめぇの男が俺の女にちょっかい出したんだな。てめぇにも責任っつーもんがあんだろ」


『ねーよ』この一言に尽きる。

はあーー、なーんであんな男がこうもモテるかね。まあ、ルックスは悪くないし?甘え上手で甘やかすのも上手なタイプだったし、なにより『かわいそう』を演じるのがピカイチだった──。

あーーダメだ……少し思い出しただけでもムカムカしてくるわ。


「話すだけ無駄そうな女だな。まあ、いい。色々と分からせてやるよ」


────『文哉は無事なの?大丈夫なの?』なーーんて一切聞かないよ?もう、マジでどうでもいいし、何かあったとしても『当然の報いでしょ』としか思えない。『酷い女~』とか思いたいならご勝手に。そんな酷い女~にしたのは、紛れもなく『元彼』ですから。


これは『当然の報い』だし『元彼』だから、私""は""関係なくない?こんな理不尽な報いを受けるのなんてまっぴらご免なんだけど──。

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