家隣の陰キャ君を落としたい!
ジワッと涙が汲み上げてきて、塞き止めれなくなった涙は、ぽろぽろと流れ落ちていく。絢斗は私が泣いていることにすぐ気付いたみたで、バッ!と勢いよく私から離れた。


「み、未琴……ごめっ……っ!?」


バシンッ!!

私は絢斗の頬に平手打ちをして、そのまま絢斗ん家を飛び出した。


──── 翌日、学校へ行く気になれなかった私は仮病で学校を休んだ。その翌日……学校へ行くとプチ騒ぎが起きている。


「ねぇ!!あんなイケメンうちの学校に居たっけ!?」

「いや、居なかったよね!?」

「あのイケメン何者!?」


どこかで女子達がキャーキャー叫んでいる。なんの騒ぎだろう?サプライズでアイドルでも来てんのかな?とか適当なことを考えながら、重い足取りで教室へ向かった。


「ヤバくない!?あれ、西宮君らしいよ!!」

「はあ!?……って、西宮って誰だっけ」

「ほら、居たじゃん!!陰キャの子!!いつも陽キャ女子を連れてた!!」

「ええ!?あの陰キャがっ!?」


とか騒いでいる女子達が私の前に居る。なんの話?そう思いつつも教室へ行くと人だかりができていた。


「あーー、すみまーーん。通してくださーーい」


私は人だかりを掻き分けて教室の中へ入って、ゆっくり顔を上げた。

すると、私の視界に入ってきたのは──。

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