家隣の陰キャ君を落としたい!
詩織達が気を遣って遊びに誘ってくれたり、『男を忘れるには男だ!』って言って、合コンへ誘ってくれたり。私は絢斗に費やしていた時間を全て遊びに充てていた。


──── ある日の合コン帰り。


「はぁーー。今日の合コン相手かなりダルかったなぁ」


しつこくて、なかなか抜け出せず時刻は21時。ま、その辺うちの親は緩いから遅くなっても問題はないんだけど……。

そう言えば、近所のコンビニへ夜ひとりで行こうとすると、絢斗が何故か不機嫌になって絶対に付いて来てたなー。そんなことを思いながらコンビニを通り過ぎようとした時、ちょうどコンビニの中から出てきた絢斗。

すると、足早に私の元へ来た絢斗が力強く私の腕を掴んできた。


「痛っ!!ちょっ、急に何?」

「未琴。そんな格好して何処で何をしてたの」

「は?別に……遊んでただけだし」

「危ないでしょ。こんな時間に」

「絢斗には関係なくない?離して」


振り払おうとしてもビクともしない。絢斗ってこんなに力強かったっけ?離すどころか、ますます力を入れられて痛くなる。


「はぁ。どうして分かんないかな」

「……っ、は?何が?」

「随分と男遊びしてるみたいだけど、嫌がらせ?」


男遊び?そんなのしてないし、どんな誤解してんのよ。それに『嫌がらせ?』ってどういう意味?意味分かんないんだけど。

< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop