家隣の陰キャ君を落としたい!
「ちょっと、絢斗……いい加減にして!」

「男はさ……こういうことをするしか脳がないんだって、分かんないかな」

「……っ!?」


私の腰に手を当てて、ゆっくり服の中に手を入れてきた絢斗。


「ひゃあっ!ま、待って……絢斗……っ!」

「ははっ。“待って”……なんて言葉が通用するとでも思ってるの?未琴。男はさ、みんな野獣なんだよ」


──── いつもの陰キャな絢斗じゃなくて、それこそ“野獣”みたいな、男っ気が強い絢斗にドキドキする反面、少し怖くもあった。


優しくねっとりと、私のお腹や腰や背中に手を這わせてくる絢斗。


「んっ、絢斗……っ!?」


私の口を塞ぐように手で押さえ付けられた。絢斗の手って、こんなにも大きかったんだ。ていうか、絢斗はなんで私にこんなことをしてくるの……?

私に対する嫌がらせ?


「んんっ!……んっ……!!」

「ほら、早く逃げないと」


どうやって逃げろっていうの……?


「いいの?このままシしちゃっても」


フッと鼻で笑っている絢斗に、どうしようもなく腹が立って、どうしようもなく……怖かった。


「これに懲りたんなら、合コンだの何だのへ行くのはやめたら?」


・・・・なによ、どんなにアピールしても、アタックしても、靡かなかったくせに。何もしてくれなかったくせに。どうして……なんで今なの?

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