追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
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黒い騎士たちは、刻一刻と馬車に迫ってきていた。もちろん、ポーレット領の騎士たちも必死で抵抗するが、黒い騎士のほうが力でも数でも優っているのだろう、次々と赤いポーレット領の騎士たちが倒されていく。
私にジョーの力があったら、何か役に立てるだろう。だけど今の私はただのお荷物だ。そして、黒い騎士たちは紛れもなく私を狙っているのだろう。
「アン、必ず守るから!」
お兄様は私の治療を受ける時はヘタレだったはずなのに、今や防具を身に付け剣を片手に場所の外へ飛び出そうとしている。
そんな勇敢なお兄様に、
「お兄様!必ず生きてください!!」
私はまた叫んでいた。