追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる

「随分女性に慣れてるね」

 言いたくもない卑屈なことを言ってしまうが、

「慣れていない。生涯アンだけだ」

ジョーは甘い瞳で私を見たまま、ゾッとするほどの甘い声で告げる。
 ジョーは反則だ。かっこいいだけではなく、こんなに甘くて色っぽくて……私がお子様に思えるほどだ。

 ジョーは笑顔で私の頭を撫でながら、そっと告げた。

「本当は抱きたくて仕方がない。
 それに俺は、毎日胸がときめいて止まないんだよ」

 そんなにストレートに言わないで欲しい。私はますますジョーから離れられなくなってしまうから。
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