追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
そんななか、
「アン!」
不意に現れるジョーは、いつものように治療院の扉を開けて中に入ってくる。
手当てをしていた男の子が、ジョーを見て目を輝かせている。そんな男の子を喜ばせてあげたいと思い、ジョーに告げた。
「将来、ジョセフ団長と戦いたいんだって!」
するとジョーは嬉しそうに男の子の前に座り、その頭をわしゃっと撫でた。
「頼もしいな。待ってるよ」
男の子は嬉しそうに笑っている。ジョーはきっと、いいお父さんにもなるだろう。……お父さんか……私たち、結婚するんだよね……
色々考えて真っ赤になってしまう私を、ジョーは再び呼ぶ。
「今日の稽古、するか?」
私は大きく頷いていた。