追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
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見慣れた立派な城壁に、立派な城。そして、それを取り囲む広大な城下町……
ほんの数ヶ月前までここで生活していたのに、ここにいたのは何年も前のように感じられる。
私は馬車を降り、久しぶりに見る王宮を見上げていた。
ここまでの道のりは長かった。馬車に揺られて三日間。だが、ジョーと甘くて楽しい時間を過ごし、とうとうここに辿り着いた。
私の後に馬車から降りたジョーは、私の隣に立って立派な王宮を見上げている。
「王都はすごいな」
そんなことを言うが、私はオストワル辺境伯領のほうがずっと好きだ。そこには温かい人々と、甘いジョーがいるのだから。