追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
次第に激しくなるキスで、私の体は熱を持つ。ジョーは私をそっとベッドに押し倒し、手を絡めて覆い被さる。
 綺麗なジョーの顔と、その輝く髪と、タイを取って開け放たれた胸元と……その全てが神々しくてくらくらする。

 真っ赤な顔の私に、ジョーはそっと優しく触れる。そして、耳元で甘く囁く。

「愛してる」

 私もジョーにぎゅっとしがみつき、耳元で告げた。

「愛してるよ」

 その瞬間、ジョーはまた頬を染め、幸せそうに私に抱きつく。その強靭な体を、私も離さないと言わんばかりに抱きしめていた……

 国中から恐れられ、その名を知らない人はいないような凄腕の騎士と、私は結婚した。
 だけど彼は、実は優しくて繊細で、弱いところだってある普通の男性だった。
 こんなジョーに愛されて、私はすごくすごく幸せだ。ジョーとなら、ずっと笑って暮らしていけるだろう。

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