追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる


 これ以上ジョーのことを考えていると、頭がおかしくなりそうだ。

「ごちそうさまでした。私、食器洗いしますね」

 立ち上がった時、治療院の呼び鈴が鳴ったのだ。

「こんな時間に患者様?申し訳ないけど、明日にしてもらいましょう」

 ソフィアさんが一階へ降り、治療院の扉を開いた瞬間、

「アン!」

その声が聞こえた。
 酷く私の心を掻き乱し、熱く甘く狂わせるその声が。

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