追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
回復した男が、守ってくれました
 それから……私は必死に薬を調合し、看病した。

 まずは熱を下げる解熱剤だ。この熱は、体の奥底にある心臓、その辺りから発生している。脈も速く、このままだと心臓に負荷がかかりすぎて駄目になりそうだ。強心剤も加えた。

 あとは、傷ついている右手だ。一見すると傷は深く無さそうで血も止まっているが、見るからに良くない傷だ。ここから新たな菌が入っているのだろうか。
 薬草を浸した抗菌調布剤を貼り付ける。そして、意識がある時に活力スープを飲んでもらう。

 男性は意識がなくなり、ずっと目を閉じたままだ。だが、私は寝る暇もなかった。私が眠ってしまえば、この男性が死んでしまうのではないかと恐怖に陥る。ひたすら焚き火で薬やスープを煮て、彼を拭いたり与えたりしていた。

 そうしている間にも、この男性の顔立ちがすごく整っていることに気付いてしまった。
 さらさらした髪に、高い鼻筋。私、すごく好みかもしれない……



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