追放された薬師は、辺境の地で騎士団長に愛でられる
彼と甘々デートをしました
今日は治療院の休診日だ。
休日といってもすることがなく、仕事をしている日のほうが楽しい。だが、疫病も落ち着き平和が戻ってきたため、毎日治療院を開けなくても良くなったのだ。
ソフィアさんも働き詰めで体調を崩していたし、今日はたっぷり休暇をとって休もうと思った。
……が。今までずっと働いていた私は、急にできた休みで何をしようか迷ってしまうのだった。
街の中を散策しようかな。それとも、少し離れた湖なんかに行ってみるか。だけど、黒い騎士のことを思い出した。私はきっと、市内中心部でおとなしくしているほうがいいのだろう。
私は気付いていなかったのだが、どうやらジョーの指示によって護衛が付けられていたらしい。治療院の前にいる騎士だけでなく、私の邪魔にならないように、離れたところが騎士が見守ってくれていたようだ。
といっても、あの日以降不審な人は見ていないし、領地の騎士団が街をしっかり守っているからだと思う。
朝食を食べ、家の掃除をし、それでも時間を持て余すから薬草園にでも行こうかと思い始めた時、家の呼び鈴が不意になった。
急な来客で飛び上がる私。休日に、一体誰だろう。急患かな?それとも黒い騎士……?怖くなった私は、そっと覗き穴から外を見た。すると……
「ジョー!!」
彼の姿を見た瞬間、嬉しくなって扉を開けていた。