【完結】天使で悪魔な双子のお兄ちゃんズに、今日も溺愛されてます!~転校生危険信号!?篇~
「エミリちゃんは怪我をしてない?」
「は、はい……ルウ様。ありがとうございました。言葉にならないほど、感謝しております」
「ルウ様!? 二人ともルウでいいんだよ! 雨塚君だって、またルウちゃんて呼んでよ!」
「……紗倉さん……ルウちゃん……ごめんね。仲良くなるためのシナリオもあいつらに強要されて……」
「そうだったんだ……じゃあ私とはお友達になりたくないかな?」
「そんなこと! 楽しく話したのは僕の本心さ! 強くて優しいルウちゃんと僕はまたお友達になりたいよ!」
「私もです」
「嬉しい! 改めてよろしくね! 雨塚君! エミリちゃん!」
二人と握手した。
あったかい手。
悪魔だって、優しい人だっているんだよね!
だって暗黒お兄ちゃんは優しいもん。
「悪魔界はまだ沢山、課題がある。俺達のような存在がまだまだ少ない。助けを求める手段もまだまだ足りない。こいつらが間違った道を選んだのは、そのせいだ」
エミリちゃんは普通に生活をしていたら、襲われて拐われた。何も悪くなかったの。
雨塚君はただ、助けたいだけだった。
方法は間違っていたけれど、それしかなかった……。
「暗黒お兄ちゃん……」
悪魔界では、まだまだ悪い悪魔が沢山いる。
悪魔だもんね。
それを平和にするって、とても大変なことだってわかる。
「僕も協力していくさ。それに雨塚君も暗黒のチームに入ったしね」
「え! 本当に!?」
「うん。しばらくは暗黒さんに僕を監視してもらいながら、罪滅ぼしのために人間界のパトロール隊に加わったよ。これからはみんなを守る存在に僕もなるよ!」
雨塚君の瞳が凛と輝いた。
「そうなの? でもエミリちゃんとは……」
「実は、あの部屋でエミリと動物達と一緒に暮らしていけることになったんだ」
「わぁ! 素敵!」
二人の手はがっちり握られている。
まだ中学生なのに、夫婦みたい!!
あの動物達も、イクロス達に魔術の材料にされるところだったんだって……助けることができて本当に良かった!
「これから存分に頑張れよ。雨塚」
「一緒に頑張ろうね、雨塚君」
お兄ちゃん二人が笑って、私も笑って、雨塚君とエミリちゃんもやっと笑ったの。
ホッとして泣けちゃった。
そして、退院して数日後のお休みの日。
私達は温泉旅行に行くことにしたの。