【完結】天使で悪魔な双子のお兄ちゃんズに、今日も溺愛されてます!~転校生危険信号!?篇~
アクションがすっごい映画だった~!
最初から最後まで目を離せない、大興奮!
主人公のおじさん……かっこよかったなぁ。
「あー面白かったね」
三人とも最後まで見る派だから、明かりがついてから移動を始めたんだけどそこでもザワザワ……と二人に注目が集まる。
すると二人に手を繋がれた。
いつも手を繋いでるんだけど、微妙に私を隠すような……?
「佐藤さんと同じように、ルウちゃんがどんどん注目されてくね。ちょっと心配だ」
「肩出しは今度から家だけのほうがいいな。おら、見てんじゃねーぞ!」
「ええ~~二人を見てるんだと思うけど……」
「アホ。お前もちょっとは自覚しておけよ」
また、ほっぺたひよこにされる~~!!
「こら暗黒。でも自覚はあった方がいいかもね。世の中には悪い奴らも大勢いるから……」
「よくわからないけど……わかりました」
二人が心配してくれてるし、今までみたいに地味にしていればいいよね?
「さぁーそれじゃあドライブでも行くか……って。んあ?」
「連絡だね」
お兄ちゃん達がスマホを見る。
「もしかして事件?」
「あぁ。悪魔達による強盗らしい。隣町の美術館だ」
「昼間っから、堂々としてるね。急ごう暗黒」
「おう! ルウは……」
「私も行く!」
私は二人の腕を掴む。
事件だ!
お兄ちゃん二人が人間界にいるのって視察のためでもあるけど……治安を守るためでもあるの!
最近は悪魔達が、人間界にある魔力が込められた骨董品や美術品を狙う犯罪が増えてるみたい。
二人はそういう悪い悪魔を捕まえる役目もある!
二人の本当のママのマリエラさんは、人間界との橋渡しも重要な役目!
こういった情報を警察とも共有して一緒に解決しているの。
美術館では、お客様の避難でゴタゴタ!
パトカーも何台も来てるけど、暗黒お兄ちゃんの車はその前に止まる。
「ルウはここで待ってるんだ」
「良い子にしててね」
「うん! 気をつけてね!」
私はそう言いながら、助手席の窓にべったり張り付いて空を見る。
「いた!」
普通の人には見えないんだけど、私には見える。
空を飛ぶ悪魔の窃盗団……!
もちろんそれはお兄ちゃん達にも、わかっていて……!
「逃がすかよ」
「行くよ、暗黒」
暗黒お兄ちゃんの背中には、黒い悪魔の羽が。
聖お兄ちゃんの背中には、白い天使の羽根が。
それぞれに生えた。
物質というよりはエネルギーの塊みたいなもので服が破れることはないみたい!
そして二人の手にはそれぞれ剣が……。
悪魔の剣『デュポルディス』と天使の剣『サウザントリリィ』
窃盗団目掛けて、二人は飛び立った。
まるで神話を見てるみたい……。
私は家族になる時に、力を授かったから見えるようになったの。
『銀色の花嫁』っていう……二人の本当のママのマリエラさんと同じ力……らしい。
花嫁だなんて、ちょっと恥ずかしい名前。
今は見える力しかないんだけど……。
もうちょっと大人になったら、色々わかるみたい。