吸血鬼の彼女(仮)
2時間目が始まって、夜霧くんが隣の席に戻っきた。

《チラッ》

……すごく綺麗な顔。

本当にこの世界にいるのかって程の美少年。

吸血鬼はみんな美少女美少年って聞いたことがある。
さらに何かの能力が普通の人より長けているらしい。
たまに特殊能力を持つ人もいるんだとか…。

「…ん…?」

あっ。目が合っちゃった!

慌てて目をそらせて授業に戻る。

「………ね、ここ分からないんだけど、教えてよ。」

え?話しかけてきた!?

「え、ここをこーすれば良くて…。」

なんとか、説明できた。
でも……全然うまくできてないけど。

これからは自分からは話しかけないようにしようかな。
こんなに固まって真顔で喋ったら夜霧くんにも失礼だ。

…………てか、夜霧くんが分からない事あるのかな?
前の中学校ではめっちゃ頭が良かったってさっき噂で聞いたんだけど…。

「ありがと。」

「このくらい、だ、 大丈夫デスっ。」

やっぱり夜霧くんとはうまく話せないや。

夜霧くんだからって訳じゃなくて、男子と話すと誰でもこうなる。

中学校が女子校だったせいもあると思うけど、男の子にどう接すればいいか、まだまだ分からない。

もう少し上手く話せるようになってから仲良くなろうかな…。

むしろ、夜霧くん に彼女ができてからでもいいかもしれない。

もし夜霧くんの隣だからって理由で万が一にでも逆恨みされたら敵わない。

……絶対ないけど。

ーーーーーー
ーこの後、私がどうなるかなんてこの時は知るわけもなかった。

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