吸血鬼の彼女(仮)
「アトラクト」(ボソッ)

ん?なんか言った?

あれ?なんか体の力が抜けて動かない…?

《カプッ》

「ひゃっ。」

結局、首筋から吸うことになってしまった…。

それから何秒たったんだろう。

きっと実際は5秒くらいだったんだろうけど私にはずっと長く感じたよ…。

「はぁ…これ以上吸うと危ない…っ。また加減ができなくなる…っ。……美味かった。やっぱり空咲の血は不思議な味がする。」

「…また?」

私の呟いた声は夜霧くんには聞こえなかったみたい。
気がつくとまた夜霧くんの目が宝石みたく光っていた。

「ね、ねぇ…夜霧くんの目。光ってる…。綺麗。」

「え、マジ?、光ってる……?…空咲は何か変わった事無いの?」

「……さっき、体が動かなかった…。」

「それだけ?」

「?、う、うん。」

それだけって…。体が動かなかったのは大問題なんですけどっ!

「わかった。とりあえず今日の放課後、中庭に来て。」

「ひえぇ〜。わ、わかりましたぁ…」

そう言って、夜霧くんは口についた私の血を拭って授業に戻ってしまった。

…私、何かやっちゃったのかな?!
夜霧くんに呼び出されてしまうなんて…っ。

何をされるか分からないよっ…。
でも逃げたらもっと怖いし…。

あぁっ。

放課後よ、来ないでー。

私は半泣きで授業に戻った。

ーーーーー
ーーー
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop