彼女に好きな人が出来ませんように
学校に着くと、もうなつみが来ていた。


何人かの女子と男子に囲まれている。


いわゆる転校生あるある、だ。


質問攻めをされて、少し照れているような様子だ。


それを見て、何だかモヤッとしてしまった。


何、これ。


皆なつみのことを知りたいのは当たり前。


そんな事わかっているのに、消えない心のもや。


私、舞い上がりすぎていたのかな。


私だけの友達だって、無意識に思ってたのかな。


そんな自分に少し腹が立つ。


私ってこんなに酷い人だったっけ。


色々考えてボーっと突っ立っていると、


「あ!みっちゃんおはよー!」

と、なつみが私のところに駆け寄ってきた。


…今、皆と話してたのに。


中断して来てくれたの?

「皆のとこに行かなくていいの?」

そういうと、変わらない笑顔で

「みっちゃんが来るの待ってたんだよー!」

と言った。


ああ、この子は本当に心が綺麗なんだな。


…私を待っていた。


そんなに嬉しいことがあるだろうか。
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