彼女に好きな人が出来ませんように
土曜日の朝。


目覚ましがなる前に目が覚めた。


今日は、なつみとお出かけをする日。


楽しみで、ここ何日間かずっとそのことばかり考えていた。


何着ようとか、どこに連れて行こうとか。


そして昨日は、なぜだか緊張してあまり眠れなかった。


なつみ、もう起きてるかな。


今は朝の5時。


待ち合わせまであと6時間もある。


…早く行きたい。


ーソワソワして、待ち合わせより30分早い10時30分に着いてしまった。


流石にまだ、来ないよね。


あれ、なんか。


鼓動が早い。


ドクドクしてる。


私思ってる以上に、緊張してるのかな。


…変なの。 


変に緊張したまま20分、ソワソワした状態で待っていた。


「みっちゃーーーん!」


なつみ。


パステルイエローのワンピースに身を包み、白いハットを被ったなつみが走ってやってきた。


なつみを見た瞬間、


何でだろう、お腹の中に蝶がいるような


不思議な感覚がした。


「ごめーん!待った?!」





「みっちゃん??」

「あっううん、全然大丈夫だよ。楽しみすぎて早く来ちゃった」

「みっちゃん…」

「かわいい!」

なつみは、そう言っていきなり抱きついてきた。

「えっ…なつみ?」

「私と遊ぶのが楽しみすぎて早く来たなんて、もうみっちゃんかわいすぎるよ!」

なつみのほうが…

「でも私もね、楽しみすぎて昨日全然寝れなかったんだ〜」

「私もだよ」

なつみは嬉しそうに笑った。


「今日どこ行く〜?」

「ちょっと時間かかるけど、駅のショッピングモールに行きたいと思って」

「みっちゃんについてきます!」

そう言って目をキラキラさせた。

「うん、ついてきて。」
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