彼女に好きな人が出来ませんように
駅には、キラキラしたアクセサリー屋や文房具屋、美味しそうなカフェなどがズラッと並んでいる。


「まず何したい?」

「うーーんっとねぇ……」

色々なお店をキョロキョロと見ているなつみのお腹から、グゥーーっという音が鳴った。

「あ…」

なつみは顔を赤くして、恥ずかしそうにお腹を隠した。


私もお腹空いてるし、

「じゃあ、お洒落なカフェにでも行こっか」

「わあっ!さんせーー!」



私となつみは白いレンガのお洒落なカフェに来た。


メニューを開くと、大きなパフェやパンケーキ、クレープなどスイーツがぎっしり載っていた。


どれもとても美味しそう。


「うわぁああみっちゃん見て!すっごい分厚いパンケーキ!!クリームたっぷり乗って美味しそ〜!」

「ほんとだ、美味しそうだね」

「あっでもこっちの特大いちごパフェも美味しそう!どうしよ、選べないよ〜」

そう言って2つのメニューを真剣に見比べている。

「じゃあさ、

どっちも頼んで2人でシェアして食べるのはどう?」

なつみを喜ばせたいな、なんて。


そう言うとなつみはパッと顔を明るくして顔を上げた。


「ええ!いいの?!?!」

「もちろんだよ」

「やったぁぁあ!みっちゃんありがとう!!」

楽しみだなぁ〜とニコニコ笑うなつみ。


なつみの笑顔は、凄くピュアで、太陽みたいに明るい。


この笑顔で世界を救えるんじゃないかと、一瞬思った。




ーカフェを出て、私達はゲームコーナーに向かった。


なつみが「記念にプリクラ撮りたい!」と言っていたから。


といっても…


私はそんなの撮ったことがないから、緊張してしまう。


うまく撮れるだろうか。


「大丈夫だよみっちゃん、私と同じポーズしてればいいだけだから!」

私の緊張を察して励ましてくれた。


なつみが大丈夫だと言うんだから、大丈夫。


でもいざ撮ってみると…やっぱり難しい。


「うわぁ、私ずっと無表情だ…ポーズもおかしくなってる…」

なつみはかわいく撮れているのに、私は顔が強張っているし、ハートもうまく作れていない。


何だか凄く、なつみに申し訳ない気がしてくる。


「なつみごめん、全然うまく撮れてなくて…」


「そんなことないよ!新鮮で凄い楽しかったし、ほらみっちゃんもかわいく写ってる!」

なつみ…

「一緒に撮ってくれてありがとうみっちゃん!私これ一生の宝物にするっ!」

一生の宝物…


なつみがこんなに喜んでくれたなら、なんでも良いや。


「こちらこそありがとう。初プリクラがなつみとでよかった!」


私も、一生の宝物にしたい。


この思い出も、全部。
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