ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
ふわふわとした不思議で愛しい感覚でいる僕とは対照的に、まいさんは、たえきれないといわんばかりに自分の両耳をふさいで頭を抱えた。

「うーっ。やな女だよね、私! これだから恋愛モードに入るのって苦手なのよーっ。

私、人好きになると、ホント独占欲強くなって自分でもヤんなるっていうか……。

あーもう、嫌ッ。こっち見ないで、さっき言ったこと、全部なしにするから!」

ガタンと椅子を引いて、まいさんはテーブルと平行に頭を下げた。

見ないでって言われても、こんなに可愛いまいさんを、僕が見ないでいられるわけがないのに。

ちょっと笑って箸を置き、テーブルを回りこんで、まいさんの側にひざまずく。
伏せられたまいさんの顔を下からのぞきこんだ。

「ねぇ……まいさん? 前に僕に、夢や希望を描いて欲しいって、言ってくれたよね?

あれって……もっと自分の世界を広げて、いろんな人と関わったほうが良いっていう意味も、あったんだよね?

だけど、やっぱり僕の世界の中心にあるのはまいさんでしかなくて。

夢も希望も……未来も、そのすべてにおいて、まいさん抜きでは考えられないんだ。

だって僕は、まいさんが好きで好きで……好きで、たまらなくて。
何をしても、どこにいても、まいさんのことでいっぱいなんだ。
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