ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
「ね、まいさん? さっきの言葉の続き、ちゃんと聞かせて?
僕って……なに? 心配しなくても僕以外の誰にも聞かれやしないから、きちんと言葉にして、伝えて?」
かろうじて呼吸ができそうなくらいに僕の胸から顔を離したまいさんが、本当に誰にも聞かせるつもりがないくらいの小さな声を、もらす。
「……あんたって……私には、もったいないくらいイイ男よ……!」
言いきって、照れくさそうに頬を寄せるまいさんに、くすっと笑ってみせた。
「それは違うよ、まいさん。
僕のほうが、おつりがきてしまうくらい、まいさんから幸せな気分をたくさんもらっているんだから。
これ以上、僕の想いの負債額を増やされたら、どうやって返していいのか、解らなくなってしまうよ?」
髪のなかに入れた指先でもって、そっとまいさんをうわ向かせる。
上気した頬も、高ぶった感情に潤む瞳も、わずかに開かれた唇も。僕を惑わすには、十分だったけど。
───軽く触れるだけのキスにとどめ、もう一度だけ、まいさんを抱きしめ返し、やんわりと身体を離した。
「帰ろう、まいさん。───ほら、ほっぺ冷たくなっちゃってるし」
手の甲でまいさんの片頬に触れると、我に返ったようにまいさんが歩きだした。ぼそっと、つぶやく。
「……ちょっと反省。なんか私、だんだん大地に毒されてきてる気がする……」
僕って……なに? 心配しなくても僕以外の誰にも聞かれやしないから、きちんと言葉にして、伝えて?」
かろうじて呼吸ができそうなくらいに僕の胸から顔を離したまいさんが、本当に誰にも聞かせるつもりがないくらいの小さな声を、もらす。
「……あんたって……私には、もったいないくらいイイ男よ……!」
言いきって、照れくさそうに頬を寄せるまいさんに、くすっと笑ってみせた。
「それは違うよ、まいさん。
僕のほうが、おつりがきてしまうくらい、まいさんから幸せな気分をたくさんもらっているんだから。
これ以上、僕の想いの負債額を増やされたら、どうやって返していいのか、解らなくなってしまうよ?」
髪のなかに入れた指先でもって、そっとまいさんをうわ向かせる。
上気した頬も、高ぶった感情に潤む瞳も、わずかに開かれた唇も。僕を惑わすには、十分だったけど。
───軽く触れるだけのキスにとどめ、もう一度だけ、まいさんを抱きしめ返し、やんわりと身体を離した。
「帰ろう、まいさん。───ほら、ほっぺ冷たくなっちゃってるし」
手の甲でまいさんの片頬に触れると、我に返ったようにまいさんが歩きだした。ぼそっと、つぶやく。
「……ちょっと反省。なんか私、だんだん大地に毒されてきてる気がする……」