ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?

7.『お父さん』と『お姉さん』

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自分に、いわゆる『腹違い』の姉がいることを知ったのは、物心がつく前だった。

もちろん当時は、そんな言われ方をする『お姉さん』だなんて、知らなかったから。

僕は、あの人から教わった『お父さん』と『お姉さん』が、この世に存在するんだということが単純に嬉しかった。


だけど、大きくなるにつれて、自分のよく読む物語のなかで、母親の違う兄弟が、いがみ合うことが当然のように描かれた作品が多いのに、僕はかなり失望した。

僕ならそんな風に、思わないのに。
自分と血のつながった『お姉さん』と、いがみ合うだけの関係だなんて不毛だ。


だから僕は、僕の『お姉さん』と一緒にいられたなら、すごく仲の良い姉弟になりたいと思った。

僕と『半分だけ血のつながったお姉さん』と、とびきり仲良くなりたいなって。


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