ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
状況的にも、状態的にも、自分の欲望に集中することができなくて。まいさんの気をそらすように、声をかける。
僕を上目遣いに見て、まいさんは、すぼませた唇を引き抜いた。
震える身体と、したたり落ちる、僕の身内からあふれた快楽の叫び。
それを舌先ですくいとったあと仕方なさそうに、まいさんは立ち上がった。
扉へ向かう腰つきが、誘うようにいやらしくて、艶めかしい。
僕は、その姿を視界から締めだすように、息をついた。部屋の鍵をかけたまいさんが、ちらりと僕を振り返る。
「……あんたって、私よりヤラシイわよね、あえぎ声」
僕の手首を縛り上げたあとに脱ぎ捨てた、自分のナイトウェアをまたぎ、ベッドへ戻って来たまいさんに、たまらず声をあげる。
「……あの、まいさんっ……。もっ……コレ、ほどいてよ……!」
「ほどいたら、お仕置きにならないじゃない」
眉を寄せて僕の顔に近づくまいさんの唇が、僕の唇をふさぐ。
自分の味なんて、知りたくもないのに。それがまいさんの口内で変質されたものなら、喜んで受け入れしまう。
交わされるくちづけが深いほどに、飛びだしたい欲求の波が襲って。後ろに回された手指が、まいさんを求めて、うごめく。
ふいに、僕の欲望の中心に、濡れたショーツが、かすめた。
まいさんのせつなげな吐息が、僕の頬をなでる。
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