ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
「……ねぇ、まいさん、選んでよ……。コレをはずすか、ソコに身体を沈めるか……」
まいさんは後者を選んで、ふたたび顔を伏せたあと、ふたりを隔てる薄い膜を、もどかしそうにつけてくれた。
おもむろに落とされる腰と共に預けられる、まいさんの身体。包みこまれたのと同時に、拘束が解かれた。
「……だめ、限界っ……。大地が、動いて……!」
可愛いらしい声が耳もとで告げ、僕の首に腕が回される。やわらかなふくらみが押しつけられ、上下し、鼓動の速さを伝えた。
僕は、まいさんを強く抱きしめ返しながら、抑えてきた欲情を、まいさんの身体に伝える。
乱れる息遣いが重なって、揺れ動く肢体の放つ音が、卑猥(ひわい)に室内に響く。
「まいさん、コレ……どう考えても、お仕置きじゃ、ない、よね……?」
「っさい、わね……っ……。好き、なんだから、しょうがな……い、でしょ……!」
「それは、僕が? それとも……この行為が?」
まいさんを押し倒しながら、思わず訊いてしまう。赤く染まった頬のまま、涙目のまいさんが僕をにらみ上げた。
後ろ髪を引っ張られて、声にならない声が、僕の鼓膜を震わせる。
振動が伝えた音に、身体と心が歓喜をあげ、僕はそのまま情欲に流された。



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