ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
「だから僕は、本当はまいさんが『イイ』と思う世の中のすべての男性を、まいさんの視界に入れたくないくらい、まいさんを独り占めしたいんだよ?
でも、そんなの……なんか、カッコ悪いじゃないか。それでやせ我慢して、平気なふりしているだけなんだ。
こうやって、まいさんが『彼』に夢中になってる横で、ココアを飲みながらね。
こんなことを言うのも本当は、すごく格好つかないし、嫌だけど、でも」
まいさんの頬にかかった髪を指で()いて、あらわになった頬に自分の頬を寄せた。
僕より体温が高いまいさんは、いつもやわらかくて、あたたかい───まいさんの魂そのものを、表すかのように。
「『僕の大好きなまいさん』を、まいさん自身がけなすのは、僕のちっぽけなプライドなんかどうでもいいくらい(ゆる)せないことだから。
そんな風に自分をおとしめるようなことは、二度と言わないでほしいな。
まいさんが、誰よりも素敵で優しくて心が広い女性だってことは、僕が一番、解っているんだから。僕の、お墨付きだよ?」
ふふっと笑うと、まいさんが鼻をすすってるのが分かった。
身動(みじろ)いだまいさんの両腕が、僕の首の後ろにまわされる。
「大地、好き………大好き」
かすれた声が甘く告げて、僕の心と身体を優しくしめつける。
幸せな溜息をつきながら、まいさんを抱きしめ返した。
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