ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「にゃ! 知らなかったにゃ! なんとなく長生きはするんだろうなと思っていたけれど、妖精の人生がそういうことだったなんて……」

 とてつもなく長く生きるというのは、そうではない人たちを見送らなければならない、ということ。
 犬のおばあさんとさようならをしたように、これからたくさんのさようならをして長い長い時間を生きていかなくてはならない。

 エリナは、とても重い塊が背中に乗ったような気がして、耳をへにょりとさせた。

「……エリナ、本当にごめんね! みんな僕のせいなんだ」

 エリナの腕の中で、子犬がきゅーんと鳴いた。

「そうね、エリナはとてもイレギュラーな守護妖精なのよ。本来ならば、普通の、特に定めも役割もない妖精の中から、守護妖精となるものを見つけてお願いするの。縛られずに自由に生きたいからとお断りされることもたくさんあるわ。でも、みんなの幸せのために生きることを選んでくれる、頼もしい妖精ももちろんいるの。フーラアヌやユーディリシェイラミアムスみたいにね」

 美しき妖精のまとめ役は、白くて長い指をティーカップの持ち手に絡ませて、レモングラスとカモミールの入ったハーブティーをゆっくりと味わった。
 
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