ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「スカイヴェン国には、守護妖精はいなかった。カルディフェン・ラーダがフェンリルとして生まれたのを知って、将来は勧誘というか強くお願いというか、なんなら泣き落としをしてぜひとも守護妖精になってもらうつもりだったのだけれど、それまでは不在のはずだったのよ」

 エリナがルディの顔を見ると、彼は『そうだったのか』と言うように肩をすくめた。
 そして、エリナは『フォーチュナさんって、優しそうな見た目と違ってタフなところがあるから、ルディさんは間違いなく守護妖精コースに進んでいただろうにゃ。怖いから、具体的にどうやって強くお願いするのかは考えないことにしようっと』と、少し怯えた目をした。

「そこへ、クー・シーが地球で事故に遭いそうになったでしょ。クー・シーはわたしの補佐をする特別な妖精だから死なないの。それなのに本当に危なかったのよ。もしも『死なないはずの妖精が命を落としてしまう』と、時空に大きな歪みが生じて、地球がその衝撃を肩代わりすることになるのよ」

「歪みと衝撃?」

 子猫がクー・シーをモフりながら首を傾げると、リラックスした子犬は「『トラックに跳ねられた子犬は死ぬ』という事象と『僕は死なない』という事実がぶつかって生まれたエネルギーが向かう先が地球、ってことなんだ」と説明した。

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