ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「そうだ、コレットから連絡があってね」

 ミメットが言った。
 この店にはもうひとり、植物の精霊であるドリュアドのコレットが働いている。彼女はマーレン国の守護妖精から派遣されているのだが、今は用事があると呼び戻されていた。

「なんでも、ユーさまがこっちに遊びに来るための、裏技だかなんだかを準備してるから、もう少しお休みをください、だってさ」

 ユーさまというのが、ユーディリシェイラミアムスという長い名前のマーレン国の守護妖精で、基本的に世界樹の根元から動かないで過ごしている。離れてはいけないというわけではないが、その国にいること自体が国を守護するという存在なので、留守にするのはあまりよろしくないのだ。

 フェンリルのルディもケット・シーのエリナもスカイヴェン国の守護妖精なのだが、彼らはとてもフットワークが軽く空を飛ぶのが得意なので、他国にお出かけしてもすぐに戻ってくることができる。
 落ちてくる彗星を止めるために、宇宙空間に出かけたことすらあるのだ。

「裏技、なんですね」

 エリナは『ユーさまも、空を飛べればいいんだけど……』と思ったが、地球育ちのエリナのように『妖精は空を飛べて当然だ』と信じ込んでいないと、空を飛ぶのは難しいかもしれない。
 ルディの場合は、熱心に練習するエリナにつられて飛べるようになってしまった。まだ若い妖精獣の彼は、とても素直な性格をしているようだ。
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