ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜６

「エリナ……なんて素晴らしい魂を持った子猫なんだ！」

　感動に震えているのは、フェンリルのルディだった。

「俺は、王族に生まれてなに不自由なく育てられて、家族にも恵まれているというのに、『なぜ自分だけ妖精獣なんだ』と心の中で考えていた。疎外感を感じて、どこか他人と距離を置いていた。フェンリルとしてなにができるかなどと、考えずに日々を過ごしてきたのだ」

「ルディさん……ルディさんは、王都警備隊長として立派に働いてきているじゃないですか」

　子猫が不思議そうに尋ねた。

「なにを気にしているんですか？」

「いや、王家に生まれた者としても、妖精獣として生まれた者としても、もっと大きな視野で人のためになる生き方を探らなければならなかったのだ！」

　エリナに比べたら、俺は未熟者だ！　と苦悩に満ちた表情でうめくルディを見て、子猫はきょとんとした顔で「ものすごい勘違いをされてるにゃん」と言った。