ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 出来たて熱々のチュロスは、外がさっくり中がもっちりしていて、とても美味しいおやつになった。

「これはいいですぅ。かじると断面が星形になってるところが気に入りました」

 コレットは「本当に尻尾ですぅ」と言いながら、喜んでチュロスを食べた。

「味も歯触りもいいし、形も面白いじゃないか。お祭りの屋台で出しても売れそうだね」

「そうですね。生地をあらかじめ用意しておけば、屋台でも出せます」

「揚げたては特に美味しいですね。当日は実演しながらお出しするといいかもしれません」

「熱々の尻尾を食べてもらいたいにゃ」

 リックルはジャンから受け取ったレシピを見て「生地を作って冷蔵庫で冷やしておき、会場に設置した調理場で揚げていけるでしょう」と段取りを考えている。

 うさぎのジャンは「この生地はどうして揚げると膨らむんだろう? 高熱を加えられるとなにかが起きるのかな……不思議な料理ですね」と感心していた。彼は軽い若者に見えて意外に賢いのだ。

「星形にしたのは、見た目が可愛いからですか?」

「すごいです。ジャンさんはいいところに気がつきましたね」

 子猫に褒められたので、ジャンは嬉しさで長い耳をぴくぴくさせた。

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