ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「あ、隊長もおはようございまーす」

「お前なあ……『ついでに感』が露骨すぎるぞ」

「ついでにおはようございまーす」

「強調するな!」

「……まさか、隊長も『今朝もとっても魅力的だね、俺のハートがキュンキュンしちゃうよ』とか、言われたいんですか?」

「それは絶対に断る」

「でしょでしょー」

 肝の据わった狐隊員は、ぐぬぬと唸る狼を華麗にスルーしてとびきりの笑顔をエリナに向けた。

「さあ、可愛い白い子猫ちゃん、狐のお兄さんにその素晴らしい尻尾を紹介しておくれ?」

「わっ、気がついていたんですか!」

 サファンに声をかけられたエリナは「今朝起きたら、尻尾が生えていたんですよ」と狐に向けてしなやかに振ってみせた。

「おめでとう、エリナちゃん。ああ、なんということだろう、とても魅力的な尻尾を拝見した衝撃で、僕のハートは愛の矢で真ん中を射抜かれてしまったようだ。ああ、ここからピュアな愛が溢れ出てしまう……」

 サファンが胸を押さえながら物憂げな顔つきで「溢れた愛を入れるバケツを貸してよ」とため息をついたので、ふたりの娘猫は「もう、サファンさんったら!」「まったく面白い狐だよ、朝から笑わせないでおくれ」と笑い転げた。
 ルディだけは「お前はいつでも役者になれるなあ」と妙な感心をしている。
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