ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「いや、だが、わたしは……あの踊りはふたりひと組のようだし……って、うわあ!」

 目の前に、とびきり美しい顔が迫ってきたので、ウィリオ王子は思わず声をあげてしまった。

「ウィリオトラスファールレアン君、わたしと一緒に踊ろうよ。さあさあ行こう、楽しいな」

「ユ、ユーディリシェイラミアムス様!?」

 ためらうウィリオ王子の手を取り踊りの輪に引っ張って行くのは、マーレン国の守護妖精、ユーディリシェイラミアムスであった。

「ステップに自信がないの? 大丈夫、わたしもさっき覚えたところだから。お互いに足を踏むのが前提だから、気軽にペアになってよ」

「いやいや、全然気軽になれませんって!」
 
 ほっそりしているのに力強いユーディリシェイラミアムスは「平気平気」と言って、手を離してくれない。

「ユーディリシェイラミアムス様!」

「わたしのことは、ユーっちって呼んでよ」

『ユーディリシェイラミアムス様って、こんな性格をしていたのだろうか? もしがするとエリナと出会って、新たな一面が現れたのかもしれない……やはりとんでもない子猫だ』

 ウィリオ王子は楽しそうな守護妖精と踊り、彼の顔を見て『にっこにこだな』と嬉しくなった。
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