ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜６

　ちなみに、宰相の息子であり、ルディの幼馴染みであり、貴族の子息であるヴォラットは、エリナの正体がスカイヴェン国の守護妖精であることを知っている数少ない人物であった。　
　そしてさらに、問題のトンネルを一晩で作り上げてしまったのは、実はエリナなのだということも聞かされている。その時のヴォラットは「あ……なるほど。エリナだから仕方がないか」と呟いて、クールに笑ったという。
　公表できない諸々の事情により、秘密を知っていて口が硬く、裏も表も国の様々な事情に精通しているということで、ヴォラットが今回の調査担当に選ばれた。

『笑っている場合じゃないよね。わたしのせいで出張になっちゃったんだから、ヴォラットさんにごめんなさいしなくちゃ』

　帰ってきたら、彼のためにチリドッグを作ってあげようと心に誓うエリナであった。


　
「パンもいい感じに焼けたよ」

「さてさて、それでは焼きたてのソーセージと新鮮なレタスを挟んで、エリナちゃん特製のチリソースをかけて、と」

　厨房に入ったマイクは慣れた手つきでホットドッグを仕上げていき、そこに真っ赤なチリソースをかけた。三人で作ったので、あっという間に人数分ができた。

「美味しそうで、おなかがなっちゃいますね！　さあ、できたてをいただきましょう」

　皆はテーブルにつくと「ありがたき糧を！」と挨拶をしてからチリドッグを頬張った。