ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 美味しい朝食に満足すると、隊員たちはいつものように仕事に向かう。もちろんルディも彼らに続いて青弓亭を後にしようとしたのだが。

「おはようございまーす」

 扉の陰からうさぎの青年がひょいと顔を出した。

「ルディ隊長、ちょっとお時間いただけますか?」

「ジャンじゃないか、どうしたんだ? 緊急の用件が……」

「青弓亭のミメットさんにエリナちゃん、お久しぶりですね!」

 ルディをスルーしてさりげなく中に入ろうとするうさぎの襟首を、狼隊長がつかんだ。

「なにが久しぶりなんだか、エリナの近辺を頻繁にうろうろしているくせに。こっちは気づいているぞ」

 狼隊長も、『旋風のミメット』も、いつもジャンの存在には気づいている。用がないから声をかけないだけなのだ。

「あれれ、バレてましたか。でも、それが僕たちの仕事なんですから、仕方がないですよね。悪さはしませんから、離してもらえませんか? 今日も公務なんです」

「……やっぱり母上からの用事か」

「えへへ、すみません」

 ルディは目を細めながら、青年を離した。
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