ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 このうさぎのジャンは、実は王家の諜報部に勤めている立派な公務員なのだ。彼はちょいちょいエリナの周りに現れて、ミメットとも親しくなっていた(というか、王家との連絡役としてミメットに便利に使われていた)。

 さらに、スカイヴェン国とフィフィール国、そして森エルフのマーレン国との合同のカレーライスイベントの時には、役員として大活躍した。その縁もあって、陰の存在であるはずなのに彼らとも顔馴染みなのだ。

 エリナはただでさえ才能溢れる子猫の料理人で、おまけに日本にいる時の知識を生かして、暮らしが良くなるような提案をしてきた。
 それだけでもスカイヴェン国の重要人物に該当するというのに、先日は妖精の力を使って宇宙からこの王都に向けて彗星が激突するのを阻止してみせた。もう重要人物どころの騒ぎではないのだ。

 王家としてはエリナの身の安全に充分注意しなければならない。
 というわけで、王家の諜報部員が常に彼女に気を配っているのだ。

 ……スカイヴェン国のサランティーナ王妃が、可愛い可愛い、目の中にも入れても痛くないほど可愛い子猫のことが大好きで、孫を溺愛するおばあちゃんのようにエリナのすべてを知りたいと思っているからでは……ないのである、たぶん、きっと。

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