ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜６

「これは美味いな。ピリッと辛くて俺の好みの味だ」

　クールなイケメンは、口の端についたチリソースを舌で舐めとって言った。

「スパイスというのは不思議なものだな。あるとないとでは味がガラッと変わってしまう」

「はい。ブイヨンなどの出汁の旨みと、スパイスの香りや辛み。その組み合わせで無限に味が生まれますよね」

「そうだな、俺はカレーでスパイスの力を思い知った。それに、食材の旨みについてもな。肉のカレーと魚介のカレーは、まったく別の味わいだったからいくらでも食べられたし、肉も鶏と豚と牛では美味さが変わってくるし……スパイスにこだわったギギリクの気持ちがわかるな」

　スパイス談議をしながら、ヴォラットはホットドッグを三つも平らげた。

「以前はとんでもない変人だと思っていたが」

「ヴォラット……あんたねえ、妹の前なんだからさ、もう少し言い方を考えなよ」

　ギギリクの妹であるミメットが黒豹を軽く睨むと、彼は「すまんすまん、だが、今では俺も変人の仲間だ」と言ってニヤリと笑った。