ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「そうだ、話は変わるが、エリナとルディでトンネルの試走をするというのはどうだ? 一般の者を通行させる前に、ふたりの目でも問題がないかチェックして置いた方がいい。あんなに長いトンネルはこの辺りでは初めてだからな」

 ヴォラットは「フェンリルの脚ならあっという間に走破できるし、エリナもトンネル掘った責任者として見ておきたいだろう」と提案した。

「確かにそうですね。空気の流れや湧き水の有無は気にして作ったから大丈夫とは思いますが、事故を起こしたくないから念には念を入れた方がいいと思います」

「風と水に関しては俺の目には問題なく見えたが、調査の目は多い方がいいだろう。俺が宰相に話しておく」

「お願いしますね、ヴォラットさん」

 黒豹は王宮に行くと言って青弓亭を出て行った。
 そんな彼を見て、エリナは「ヴォラットさんって、とてもしっかりしていますね。もしかして、次の宰相になるとか?」とミメットに尋ねた。

「どうだろうねえ。あの黒豹はちょっと癖があるから、宰相の座には収まりきれないと思うけどなあ。あたしの見立てでは、妖精獣と国の間を繋ぐ特別な役職にでも就くんじゃないかな。小さい頃からルディ隊長と一緒に行動しているというのも、周りのそういう思惑があったから……かと思うのさ」

「なるほど、そう言われてみれば、ヴォラットさんはルディさんの片腕としての位置にいるように思えますね」

 エリナは内心で『姉さんは頭がいいな。一流の冒険者になるには、戦闘力だけじゃダメってことなんだね』と感心した。
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