ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「それでは行ってきまーす!」

 モッフモフの白いフェンリルにまたがったエリナは、堪えきれずにぎゅっとしがみついてモフりを堪能してから元気な出発の挨拶をした。

「行ってらっしゃい、エリナちゃん。気をつけてね」

「楽しく過ごしてくるのじゃぞ」

「フーちゃんによろしくね。あと、お土産を楽しみにしているわ」

 王太子と前王と、海の幸が大好物の王妃に笑顔で見送られて、フェンリルは空高く駆け上がった。今日はトンネルの入り口までは空を駆けて、トンネル内は馬車の速度で走って調査をしてくる予定なのだ。

「ルディさん、一段と速度があがりましたね」

 鳥も飛んでいない空高くを、フェンリルは矢のように駆けていく。彼らの身体は金色に輝く妖精のドームに覆われているため空気の抵抗がないし、揺れも少ない。さらにエリナの知識を活用して、ドームの上部は紫外線を通さない構造になっていた。
 暑さや寒さに悩むこともない快適な旅だ。エリナはモフモフに埋もれてお昼寝したくなってしまう。

「ルディさんは高性能なスペースフェンリルだにゃん……」

 安全ベルトをつけたエリナは、最高級のモフモフに埋もれて「幸せすぎるにゃん」とうとうとし始めた。
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