ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「エリナ、そろそろトンネルの入り口だ」

 すぴーすぴーという可愛らしい寝息を聞きつつ笑いをこらえながら飛んでいたフェンリルは、目的地が近づいたので子猫に声をかけた。

「にゃっ、寝ちゃってた! すみません」

「謝ることはないぞ。働き者の子猫のたまの休みなのだから、お昼寝をしてもバチはあたらない。エリナはまだ小さな子猫なのだからな、よく食べてよく寝てよく遊ぶのが本来の仕事だぞ」

「にゃーん」

 いつものように甘やかされて、エリナは柔らかな子猫の声で鳴いた。
 日本で生きていた頃には、彼女を保護してくれる人も親身に味方になってくれる人もいなかった。そんなエリナだが、この国にやってきて人の優しさをたくさん貰い、幼い子猫として甘えることを覚えた。
 そして、獣化することができ、心と身体がこの世界に馴染んできたため尻尾も生えてきたのだ。

< 41 / 88 >

この作品をシェア

pagetop