ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 ほぼ出来あがった休憩所の建物に入ると椅子に座り、エリナは荷物の中から瓶に入った果実水を取り出して飲んだ。まだまだ走るので、ルディはフェンリルの姿のままだ。

「ルディさんは喉が渇いていませんか?」

「これくらいなら大丈夫だが」

「飲ませてあげますよ」

「やはり喉が渇いたな。少し貰おうか」

 エリナは彼の分の果実水も取り出して、蓋を開けた。ルディの尻尾が激しく左右に振られた。

「はい、あーん」

 エリナがフェンリルの耳の下を優しく掻いて言った。

「あ、あーん」

 これが人の姿なら、若い男性にあーんをするというドキドキの状況なので、ルディは緊張した。しかしエリナはモフモフのことは男性にカウントをしていないのだ。可愛い大きなワンちゃんに飲ませている、くらいにしか考えていない。

 純粋な子猫の瞳を見たルディは『俺に邪念はない!』と心の中で呟いた。
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