ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 休憩が終わったので、現場の責任者に声をかけてからふたりは出発した。

「これは……予想以上に良いトンネルだな」

 脚を踏み入れたルディは感嘆した。

「地面は固すぎず、適度に凹凸があるから歩きやすいし、壁は石造りのようにすべすべでしっかりしている」

 ルディは肉球でトンネルの造りを確かめた。

「それに、この不思議な灯りで照らされているから、自然な明るさで圧迫感もさほどない。……空気が動いているな。風が吹いているのか」

「はい。澱んだ空気が溜まると健康に良くないので、換気をしています。灯りはフォーチュナさんが付けてくれたんですよ。素敵なデザインですよね」

 よく見ると、灯りの周りは植物がモチーフのデザインで囲まれていて、無機質な雰囲気になりがちなトンネルに優しげなイメージを与えていた。あの短時間でここまで造りこむとは、さすがは妖精のまとめ役である。

「素晴らしい細工だな。これらをフォーチュナ殿が担当したのか。おや、この足跡にもなにか意味があるのか?」

 ルディが壁に可愛らしい子犬の足跡がついているのを見つけて、尋ねる。

「それはクー・シーちゃんが付けてました。記念の足跡なんですって」

「そっ、そうか」

 ルディは『さすがはクー・シー、ブレないな』と妙な感心をした。
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