ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「これなら、ここを通り抜ける時に心配なことはなさそうだな。所々、馬車がすれ違いやすいように場所が設けられているし、よく計算された造りだ」

 トンネルの横幅には、大型の馬車もすれ違えるくらいの余裕があるのだが、念のために退避場所も作られていて、万一故障してもここに止めて修理できるようになっていた。

「長いトンネルに馴染みのない人たちが狭い空間を通り抜けることになるので、使う人の不安をなるべく取り除こうと思ったんです」

 トンネルを使い慣れないこの世界の人たちへのエリナの心づかいである。

 だいたいの様子がわかったので、ルディは少し速度を出して走った。
 ひとつめのトンネルを抜けると野営ができそうな広場がある。自動車と違って馬は疲れるので、このような休憩する場所が必要なのだ。この広場には井戸もあるので、人も馬も冷たい水を飲んだり、お湯を沸かしてお茶を飲んだりして休むことができる。

「そのうちここでも屋台ができそうだな」

「飲み物とかおやつとか、売れそうですね」

 ふたりはさらにトンネルを進んだ。

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