ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 トンネルを通り抜けてフィフィール国側に出ると、そこでも急ピッチで開発が行われていた。そこにできた店舗のひとつに見知った顔を見つけて、エリナは「にゃあん!」と鳴いた。

「ルールー!」

「あら、エリナ! フィフィール国にようこそ!」

 人魚のお嬢さんであり、真珠貝商店の跡取り娘であるルールーは、美しい赤い髪をなびかせて走り寄って来た。

「どうしてルールーがここにいるにゃん?」

「ここにうちの支店を出すからということと、フーラアヌ様にエリナが来ることを教えてもらったから、なのよ」

 そこへ、ロングドレスを着た美女が、ルールーの老従者であるイーシーにエスコートされながらやって来た。

「フー様!」

「エリナたん! おお、今日もかわゆいのう」

 美女はエリナをそっと抱き上げると、愛おしそうに頬ずりをして「可愛らしいのう、尊いのう、ふわふわお耳が愛らしいのう」とお気に入りの子猫を堪能する。
 フィフィール国の守護妖精であるフーラアヌもルディに負けず劣らず、エリナのことが好きで好きで仕方なく、特に幼い頃より温かく見守ってきた人魚のルールーとエリナが仲良く過ごす姿が大好きなのだ。ほとんど孫を可愛がるおばあちゃんである。
< 48 / 88 >

この作品をシェア

pagetop