ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 感動の再会を見守っていたルディは、なにやら考え込んでいた。

『フーラアヌ様のアレも、守護妖精としての務めなのだろうか? だとすると、俺も深い愛情を持ってスカイヴェン国の民たちを抱っこするべきなのかもしれない……民たちを……』

 彼は想像の中で、熊のアルデルンを抱っこしようとしておろし、黒豹のヴォラットを抱っこしようとしておろし、犬のマイクをなんとか抱っこした。想像の中のマイクは、狼隊長にお姫さま抱っこをされて恐怖で震え、尻尾をくるんと脚と脚の間に挟み込んだ。

 彼は『いや、それはないな! なにもすべてを見習おうとしなくていいのだろう、俺には俺のやり方があるのだ!』と頭を振った。賢明な判断である。

「そうだ、今日はパーティーの招待状を持って来たんです」

 エリナは荷物の中をさぐってふたつの封筒を取り出した。

「もうお気づきと思いますが、わたしにも尻尾が生えたんです! ほら、この通り!」

 エリナは誇らしげに尻尾を大きく振った。

「もちろん気づいておったぞ! エリナたんにふさわしい愛らしき尻尾じゃのう」

「お耳とお揃いの白い尻尾ね。ふわふわでしなやかで、とても素敵だわ」

 ふたりに褒められて、エリナは嬉しくてにこにこした。その笑顔があまりにも可愛らしいので、フーラアヌもルールーも、さらにルディも付近で作業をしていた人もつられてにこにこしてしまった。
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