ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「エリナ様、お土産に欲しいもののリストはございますか? よろしければ、真珠貝商店の者に新鮮な素材の買い付けをさせます。そして、可能でございましたら、王宮にあるエリナ様専用の厨房でお料理を披露していただけますと大変ありがたいのですが……もちろん、エリナ様が楽しめる範囲で、ということです」

 そう言うイーシーは一見冷静であったが、エリナに仲良しさん認定された喜びが隠せないようで、彼女のためなら全力でお膳立てをしてみせよう! という熱い気持ちが溢れていた。

「そういえば、フィフィール国の王宮には青弓亭にそっくりな厨房があったにゃん! 採りたてのお魚で美味しいものを作れるにゃん!」

 そう、フィフィール国の王宮には使いやすい厨房があるのだ。エリナ贔屓が激しいフーラアヌを喜ばせようとして、フィフィール国がそのようなものを造ってしまっていた。いつも皆を見守ってくれている守護妖精への感謝の気持ちを表せるとあって、張り切って造られたこの厨房には『子猫の料理人が美味しい料理を作って……ちょっぴり味見させてもらえると嬉しいな……』という王族の思いも込められている。

「エリナ様がお使いになる、お醤油やお味噌やケチャップなどの調味料や各種スパイスもひと通り揃えさせてあります。魚を焼くための炭火もございます。なんなら王宮の庭にバーベキューコーナーもできております」

 これは、マーレン国のバーベキュー大会……いや、合同訓練会が盛況であったことを耳にして、急遽造られたらしい。

「海の幸でのバーベキューも素敵だにゃん。さすがはイーシーさんにゃ! わたしの料理を熟知してこんなに至れり尽くせりにしてくれて、もはや、大親友にゃ!」

「畏れ入ります」

 老従者が誇らしげに笑ったので、ルディとルールーとフーラアヌは「なっ、大親友だと?」「んもう、イーシーったら抜け駆けだわ!」「ぐぬぬぬぬぬ、エリナたんのことを一番推しているのは我なのに! 我なのにーっ!」と悔しげに叫ぶのであった。
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