ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
 ルディはフェンリルの姿のままで器用にドアを開けると「下で待っている」と言って自分の部屋に行った。小さな子猫は朝のミルクとおやつが必要なので、彼はいつも制服に着替えてからキッチンで準備をして待つのだ。

 エリナはドレッサーに飛び乗ると、鏡に全身を映して満足げににゃあと鳴いた。

「素敵にモフモフな白猫さんだなあ。自分で自分を抱っこしたいよ」

 さすがにそれは無理である。
 彼女は床に飛び降りると、頭の先からつま先までなにかが流れるようなイメージをした。すると、子猫の姿が獣人の姿に変化した。獣人は魔法の生き物なので、このように魔力を操って姿を変えるのだ。

「これでよし。もう失敗なく変身できるようになった……あれ? あれれ!」

 エリナは鏡にお尻を向けた。そこには長くて白い猫の尻尾が生えていたのだ。

「尻尾! わたしにもようやく尻尾が生えたよー、よかったにゃん!」

 妖精猫のフェアリナの姿になれば尻尾があるのだが、子猫のエリナの姿では今まで尻尾が存在しなかったのだ。

「やったね。なんか、しみじみ嬉しいかも。この世界に身体が馴染んできたということなのかな」

 にこにこしながら、お尻に尻尾用の穴が開いたカボチャぱんつを履き、青弓亭の制服である青いワンピースドレスを着る。もちろんここにも尻尾穴が開いている。この制服を用意してくれているスカイヴェン国のサランティーナ王妃は、いつエリナに尻尾が生えても大丈夫なように気を配ってくれたのだ。
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