ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「次はお魚を煮ます。金目鯛は……」

「エリナ様、よろしければこちらの切り身をお使いください」

「うにゃっ!?」

 魚の切り身を四切れ受け取ったエリナは、その向こうに五十切れほど山になった切り身を見て声をあげた。

「あちらは、エリナ様の料理を見ながら、不肖わたしどもが勉強させていただく分です」

「あ、そ、そうにゃんね」

 エリナは「あれを全部料理するのかと思って驚いたにゃん」と笑った。青弓亭での毎日は、それくらいの分量は軽くこなしているのだが、今日は仕事ではなくあくまでも息抜きの料理なのだ。
 
「それでは作ります。新鮮なお魚だけど、臭みをなくすためにさっと火を通してから煮ていきますね」

 切り身を沸騰した湯に通して霜降り状にすると、別の鍋に並べて、干した昆布を水に浸しておいたもの、いわゆる昆布だしを昆布ごと加えて強火にかける。

「煮崩れを防ぐために、お魚はこんな風にきちんと並べるといいですよ」

 今度はそこにお酒を加えて煮立てた。エリナは和食を作るために米から作ったお酒、いわゆる日本酒も手に入れていたのだが、さすがはイーシーで、この『青弓亭二号厨房』にもちゃんと用意してあった。
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