ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜6
「浮いてきたアクは丁寧に取り除いていきますね。綺麗になったら最初にお砂糖を入れて……そろそろお醤油と薄切りの生姜を入れて……はい、さっと煮詰めたら出来上がりです」

 手際の良いエリナについていけたのは、王宮の料理人たちがこの国で一流と呼ばれる職人だったからこそだ。

「浮いている、これがアクなのか」

「今までこんなに丁寧に魚を煮込んだことなどないな」

「おい、ちょっとこのスープを味見してみろ。洗練された旨みがある」

「この調理法で、料理が一段も二段も高みにのぼったように思えるな」

 フィフィール国王のお魚は新鮮でとても美味しく、大雑把に作ってもそれなりに美味しくできてしまっていた。だが、下ごしらえと丁寧なアク取り、そして生姜で香味をつけて臭みを消すという仕事をこなして煮上がった金目鯛は、醤油味の煮汁がマッチした、柔らかくて滋味深い、日本なら一流の料亭で出されるレベルの素晴らしい料理となっていた。

「この調理法を、他のメニューにも応用すれば……」

「フィフィール国の料理がすべて、ランクアップするぞ!」

 料理人たちは輝ける未来を感じ、身体を震わせた。
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