ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜６

「エリナ、掃除が終わったら……おや、どうしたんだい？」

　店から出てきたミメットは、難しい顔をして腕組みをする子犬と子猫を見て「なにを可愛らしいことしてるんだい」と吹き出した。

「姉さん、パティちゃんがね、世界の不思議を提供してくれたにゃ」

　キジトラ猫は「そうかいそうかい」と頷いてから「あたしたちは美味しい定食を提供する準備をしなくちゃね」と言った。

「あっ、そうだったにゃ。仕込みをしなくちゃ」

「エリナちゃん、またね。今日はお魚の日なのね？」

「そうにゃよ。またねー」

　念をおすパティとおばあさんは散歩に戻り、ゆっくりと去って行った。

「あれ、パティちゃんはなにを気にしていたのかな？」

　気掛かりがひとつ残ったが、開店準備で忙しくなったエリナにはそれを追いかける余裕はなかった。

　その日、パティとおばあさんは来店しなかった。